ウルトラセブンに会ってきた

8月10日、浜松市美術館で行われていたウルトラマン創世紀展~ウルトラQ誕生からウルトラマン80へ~に行ってきた。

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お目当ては、ウルトラセブンにてモロボシ・ダンを演じられた名役者、森次晃嗣氏のトークショー・サイン会。

トークショーの前に展覧品を見てまわったが、マニアックなアイテムが多くて興奮が収まらなかった。当時の撮影に使われたウルトラマンのマスクや怪獣のデザイン画、各作品の怪獣攻撃隊のユニフォームや光線銃等々書き出したらキリがない。展示品の総数は1000点を超えるそうだ。
ウルトラマンAの脚本、第一話の脚本のみ表紙のロゴが「ウルトラA」になっていたり*1ウルトラマンタロウの怪獣のデザイン画に「ウルトラマン太郎」と書いてあったり、面白い発見が結構あった。
私がウルトラQで一番好きなストーリーである「あけてくれ!」に登場した異次元列車も、当時の撮影に使われた本物が置いてあった。いやー実に見ごたえがあって大満足。写真が撮れないのがじつに残念。

こうして一通り展示を見て回ったのだが、ここで一つ予想外の事態発生。
まさかの図録売り切れのアナウンス
どんだけ人気あんのよ…。
サイン会には別の書籍でも参加できるということなので、仕方なく怪獣図鑑を購入し、二階の講座室へ移動した。

いよいよ待ちに待った森次さんの登場。
ボルドーレッドのコーデュロイジャケットをまとって(暑かったのか後で脱いでいたが)颯爽と現れた森次さんは活力にあふれていて、とても御歳71歳とは思えなかった。
それからは森次さんが役者になるまでの話*2ウルトラセブンの撮影秘話*3、現在の活動や他のウルトラシリーズの主役役者との交友についてなど、様々な話を伺うことができた。
最も印象に残ったのが変身シーンの話。だれでも一度は観たことがあるであろう、「デュワ!」という掛け声とともにウルトラアイを装着するあのシーン。実は結構コツがいるそうで、
1)怪獣から視線を切らずに胸ポケットからスムーズにウルトラアイを取り出す
2)腕を突き出して正面に構えたウルトラアイを、寸分のブレなく自身の正中線ど真ん中に装着する
3)ちょっとでももたついたり、ウルトラアイが左右にぶれたりするとNG
言われてみればたしかに難しそう。
森継さんはサービス精神旺盛な方で、トークショーの場で変身シーンを実演してくれたのだが、「ウルトラセブン」本編のモロボシ・ダンそのものだった(当たり前だ)。生で観ることができるとは感無量です(*゚∀゚)
セリフも何もなく、目線と表情だけでそこに怪獣がいることを表現する演技力にも驚かされた。

 

最後に質疑タイム。僭越ながらひとつ、月並みな質問させていただいた。

Q:森次晃嗣さんにとって、モロボシ・ダンとはどんな人物で、演技中はなにを考えて演技をしていたのですか?

A:何を考えていたか?…なにも考えてなかった(笑)『森次晃嗣』は『モロボシ・ダン』そのものだから。

 笑顔で堂々とそう言う姿が、とても素敵だった。

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*1:ウルトラマンAは企画段階では「ウルトラA」というタイトルだったが、既に同名のおもちゃが販売されていたため商標が取れず、放送直前に「ウルトラマンA」へ変更となったそうだ。

*2:ウルトラマンでハヤタ役を務めた黒部進氏は森継氏が働いていたジャズ喫茶の常連で、役者になる前から付き合いが合ったとか。森継氏は黒部氏の堀の深い顔立ちをみて、外人と勘違いしたとか。

*3:最終話の撮影で小道具がウルトラアイを忘れたから、「アマギ隊員がピンチなんだよ!」といってアンヌを突き放すカットでダンが持っているのは実は赤く塗ったボール紙だとか。